IROHA 保存版ガイド・がん治療・免疫療法
「NKT細胞標的治療(RIKEN-NKT)」とは?
仕組み・臨床試験の結果・費用を整理【保存版】
「理化学研究所発の免疫療法」と紹介されるNKT細胞標的治療は、NKT細胞という免疫細胞を活性化させることを狙う治療です。千葉大学で、肺がんや頭頸部がんの患者さんを対象にした臨床試験が行われてきました[4][5][6]。ただし、いずれも比べる相手のいない試験で、効果は確立していません。現在は民間企業の技術提供のもと、自由診療として行われています[8]。
医師による監修前の記事です
この記事は、AIを用いてIROHA編集部が、下記の情報源をもとに作成しました。医師による内容の確認(医療監修)はまだ受けていません。本文中の[番号]から、それぞれの情報源を確認できます。治療を検討するときは、必ず主治医にご相談ください。
この記事の情報源(8件・2026年10月23日確認)- 公的機関 2件国立がん研究センター がん情報サービス、厚生労働省
- 学会 1件日本臨床腫瘍学会
- 研究論文 4件PubMed
- 医療機関の公式サイト 1件医療機関公式サイト(提供内容・流れ・料金の確認のみ)提供状況・料金などの確認にだけ使っており、治療効果の根拠ではありません
- NKT細胞は、自然免疫と獲得免疫の両方に働きかける免疫細胞。αガラクトシルセラミドという物質を付けた細胞を体に戻し、NKT細胞を活性化させることを狙う[5][8]
- 千葉大学の肺がんの臨床試験では、重い副作用はなく、生存期間の中央値は18.6〜21.9か月と報告された[4][5]
- ただし比べる相手のいない試験で、がんが縮小した人は少なかった(第2相試験で35人中1人)。研究者は第3相試験が必要としている[5]
- 国立がん研究センターは、自由診療として行われる免疫療法を「効果が証明されておらず、医療として確立されたものではない」としている[1]
- 費用は医療機関の掲載例で1クール3,492,500円(税込)。全額自己負担[8]
NKT細胞標的治療を受けるために、手術・薬物療法・放射線治療などの標準治療や臨床試験を中断・延期することを支持する研究はありません[2]。検討する場合は、必ず主治医に伝えてください。
NKT細胞標的治療とは
NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞)は、血液中にわずかしかない免疫細胞で、αガラクトシルセラミド(αGalCer)という糖脂質を見せられると、多くのサイトカインを出して、ほかの免疫細胞にもがんと闘うよう働きかけるとされています[5]。
NKT細胞標的治療は、患者さん自身の血液から取り出した細胞にαGalCerを付けて体に戻し、体内のNKT細胞を活性化させることを狙う治療です。千葉大学で臨床試験が行われ[4][5]、現在は株式会社理研免疫再生医学の技術提供による「RIKEN-NKT®」として、提携医療機関が自由診療で提供しています[8]。
位置づけ
| 項目 | 現在の状況 |
|---|---|
| 承認 | 医薬品としての承認なし。自由診療[8] |
| 臨床試験 | 肺がん・頭頸部がんで第1/2相・第2相の単群試験[4][5][6] |
| 公的機関の説明 | 自由診療として行われる免疫療法は「効果が証明されておらず、医療として確立されたものではない」[1] |
| 法律上の枠組み | 患者さんの細胞を加工して使う医療は、再生医療等安全性確保法に基づく手続きのもとで提供される[3]。効果を国が認めたという意味ではない |
どのような仕組みなのか?
- 細胞を集める:成分採血で、単球などの細胞を集める[8]。
- 加工する:細胞を樹状細胞などの抗原提示細胞に育て、αGalCerを付ける[8][5]。
- 体に戻す:点滴などで投与する。NKT細胞がαGalCerを認識して活性化し、インターフェロンγなどを出して、NK細胞やT細胞の働きを高めることを狙う[5]。
特定のがんの目印(抗原)を覚えさせる樹状細胞ワクチンと違い、がんの目印に頼らずに免疫全体を活性化させることを狙う点が特徴とされています[8]。
どのような患者が対象となるのか?
- 臨床試験の対象:標準治療を受けた後の進行・再発の非小細胞肺がん[4]、1回目の抗がん剤が効かなくなった進行・再発の非小細胞肺がん[5]、手術前の局所再発の頭頸部がん[6]。
- 医療機関の案内:一部の血液がんを除く幅広いがんを対象とし、事前に医師が適格性を判断するとしています[8]。
- 事前の検査:肝炎、HIV、梅毒、HTLV-1などの感染症検査を行います[8]。
- 成分採血に1〜3時間半ほどかかるため、体の状態によっては負担になります[8]。
どのような効果が確認されているのか?
| 試験 | 結果 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 非小細胞肺がん(第1/2相、23人登録・17人完了) | 重い副作用なし。病状安定5人、進行12人。生存期間の中央値18.6か月。免疫の反応が強かった10人では31.9か月[4] | 比べる相手がいない。免疫の反応が強い人を後から分けた解析 |
| 非小細胞肺がん(第2相・単群、35人) | 重い副作用なし。部分的な縮小1人、安定14人、進行19人。生存期間の中央値21.9か月[5] | 比べる相手がいない。研究者は第3相試験で確かめる必要があるとしている |
| 頭頸部がん(第2相、10人) | 手術前に投与し、5人でがんの縮小がみられた[6] | 比べる相手がいない。活性化したNKT細胞を動脈から入れる方法も組み合わせた試験 |
医療機関のサイトでは、これらの試験の結果を「ガイドライン推奨療法と比して顕著な延長効果」と紹介していますが[8]、比べる相手のいない試験の生存期間を、別の研究の数字と比べることはできません。
科学的根拠と研究状況
| 項目 | 現在の状況 |
|---|---|
| 診療ガイドライン | 推奨するものは確認できなかった。学会は効果・安全性が証明されていない免疫細胞療法に慎重な対応を呼びかけている[2] |
| 承認 | なし |
| 臨床試験の段階 | 第1/2相・第2相(単群)[4][5][6]。肺がんの手術後を対象にした無作為化第2相試験の計画も報告されている[7] |
| 現時点で分からないこと | 比較試験での生存期間への効果、対象となるがん、他の治療との組み合わせ |
治療の流れ
よろずクリニックの公式サイトで案内されている流れです[8]。
- 適格性の判断・初診:治療内容、リスク、料金、キャンセルポリシーの説明を受け、同意書に署名する。
- 感染症検査:簡易採血。
- 成分採血:約1〜3時間半。
- 培養・加工:細胞調整センターで2〜3週間。
- 投与:標準は2週間ごとに計4回、点滴(または皮下注射)。入院は不要。
副作用・リスク・注意点
- 臨床試験の副作用:肺がん・頭頸部がんの試験で、治療に関係する重い副作用はみられませんでした[4][5]。
- 医療機関の説明:投与後に軽い発熱やだるさが数時間続くことがまれにあるとしています[8]。
- 成分採血の負担:1〜3時間半ほどかかります[8]。
- 免疫チェックポイント阻害薬との併用:学会は、免疫チェックポイント阻害薬と免疫細胞療法を併用するクリニックで、副作用に対処できず患者さんが亡くなった例が報告されていると注意を呼びかけています[2]。
- 標準治療を遅らせるリスク:未承認の免疫療法のために、標準治療や臨床試験の機会を失わないようにしてください[2]。
治療費・保険適用
保険は使えず、全額自己負担です。
| 医療機関 | 掲載されている費用 |
|---|---|
| よろずクリニック | 1クール3,492,500円(税込)。成分採血、培養、全4回の投与料金を含む[8] |
料金は2026年10月23日に公式サイトで確認した内容です。キャンセルポリシーを含め、最新の内容は医療機関にご確認ください。
他の治療法との違い
| 治療 | 考え方 | 根拠の位置づけ |
|---|---|---|
| NKT細胞標的治療 | αGalCerを付けた細胞でNKT細胞を活性化 | 単群の第2相試験まで。自由診療[5] |
| 樹状細胞療法 | 樹状細胞にがんの目印を覚えさせる | 自由診療で行われるものは効果が証明されていない[1] |
| 免疫チェックポイント阻害薬 | 免疫のブレーキを外す薬 | 承認されたがんで比較試験による効果あり。保険診療[1] |
治療を検討する際の確認事項
主治医に相談したいこと
- いまの治療(特に免疫チェックポイント阻害薬)と並行して受けても問題ないですか?
- 私のがんで、保険で受けられる治療や参加できる臨床試験はありますか?
提供医療機関に確認したいこと
- この治療は、千葉大学の臨床試験と同じ方法・同じ物質ですか?
- 私のがんの種類で、受けなかった人と比べた結果はありますか?
- 成分採血の体への負担と、受けられない体の状態は?
- キャンセルポリシーと、途中でやめた場合の費用は?
- 何を基準に効果を判断しますか? 2クール目をすすめる基準は?
- 主治医と情報を共有してもらえますか?
エビデンスの現在地まとめ(2026年10月時点)
| 論点 | 現時点での評価 |
|---|---|
| 臨床試験 | 肺がん・頭頸部がんで単群の第1/2相・第2相試験[4][5][6] |
| 生存期間 | 肺がんで中央値18.6〜21.9か月(比べる相手なし)[4][5] |
| 公的機関の説明 | 自由診療の免疫療法は効果が証明されていない[1] |
| 安全性 | 試験で重い副作用なし[4][5] |
| 費用 | 1クール3,492,500円(税込)の掲載例[8] |
よくある質問
NKT細胞標的治療で、がんは治りますか?
臨床試験は比べる相手のいない試験で、治る・延命できるといった効果は確立していません[5]。
「理化学研究所発」なら効果は確かなのですか?
研究の出どころは効果の証明にはなりません。効果を確かめるには、受けなかった人と比べる試験が必要で、研究者自身も第3相試験が必要としています[5]。
生存期間21.9か月は長いのですか?
比べる相手のいない試験の数字で、ほかの研究の数字と単純に比べることはできません[5]。
国に届け出ている治療なら、効果は認められているのですか?
いいえ。再生医療等安全性確保法の手続きは安全に提供するための仕組みで、効果を国が認めるものではありません[3]。
費用はどのくらいかかりますか?
よろずクリニックは1クール3,492,500円(税込)と掲載しています[8]。保険は使えません。
IROHAからのメッセージ
大学で研究されてきた免疫療法と聞くと、期待が高まるのは自然なことです。NKT細胞の研究は、日本の研究者が長く取り組んできた分野です。
そのうえでお伝えしたいのは、これまでの臨床試験は効果を確かめる前の段階だということです。比べる相手のいない試験の数字だけで、効果を判断することはできません。
費用は大きく、成分採血の負担もあります。主治医と相談し、この記事の「確認事項」を医療機関で確認したうえで判断してください。
参考文献・情報源
本文中の[番号]は、この一覧の出典に対応しています。出典は種類ごとにまとめています。医療機関の公式サイトは、提供状況・治療の流れ・料金の確認にだけ使い、治療効果の根拠としては使っていません。
公的機関(2件)
- [1] 免疫療法 もっと詳しく(国立がん研究センター がん情報サービス・2025年11月6日更新)
- [3] 再生・細胞医療・遺伝子治療について(厚生労働省)
学会(1件)
- [2] がん免疫療法に関する注意喚起について(日本臨床腫瘍学会・2019年5月30日)
研究論文(4件)
- [4] Motohashi S, et al. A phase I-II study of alpha-galactosylceramide-pulsed IL-2/GM-CSF-cultured peripheral blood mononuclear cells in patients with advanced and recurrent non-small cell lung cancer. J Immunol. 2009;182(4):2492-501.(PubMed・2009)
- [5] Toyoda T, et al. Phase II study of α-galactosylceramide-pulsed antigen-presenting cells in patients with advanced or recurrent non-small cell lung cancer. J Immunother Cancer. 2020;8(1):e000316.(PubMed・2020)
- [6] Yamasaki K, et al. Induction of NKT cell-specific immune responses in cancer tissues after NKT cell-targeted adoptive immunotherapy. Clin Immunol. 2011;138(3):255-65.(PubMed・2011)
- [7] Saka H, et al. A randomized phase II study to assess the effect of adjuvant immunotherapy using α-GalCer-pulsed dendritic cells in the patients with completely resected stage II-IIIA non-small cell lung cancer: study protocol. Trials. 2017;18(1):429.(PubMed・2017)
医療機関の公式サイト(1件)
- [8] よろずクリニック「RIKEN-NKT細胞標的治療」(医療機関公式サイト(提供内容・流れ・料金の確認のみ))
記事情報
- 初回公開日
- 2026年10月24日
- 最終更新日
- 2026年10月23日
- 医学的確認状況
- 医師による監修前(AIを用いてIROHA編集部が公的資料・論文などをもとに作成)
- 編集確認
- 未完了
- 参考情報の確認日
- 2026年10月23日
- 次回確認予定日
- 2027年4月23日
- 執筆
- IROHA編集部
治療法ごとの根拠の強さを、読者の方が見比べやすいように整理したIROHA独自の区分です。公的機関・学会による医学的な評価ではありません。AIと編集部が根拠を示して暫定評価を行い、医療監修で確定します。
- A:対象・条件を限定して臨床的有効性が確立
- B:人を対象とした比較研究などで有効性が示唆されるが、結論は限定的
- C:臨床研究は存在するが、有効性は未確立
- D:主に前臨床研究・理論段階
- E:信頼できる有効性の根拠が確認できない
- 未評価:資料不足により分類できない
相談できる医療機関
この治療法について相談できる医療機関の掲載は、現在確認中です。がんの治療について相談したいときは、主治医のほか、全国のがん診療連携拠点病院などにある「がん相談支援センター」を無料で利用できます(国立がん研究センター がん情報サービス)。


