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脳腫瘍

脳腫瘍について、医療知識をやさしい版から専門家向けまで段階的にまとめました。

※本ページは各種診療ガイドライン・公的機関の情報をもとに構成しています。個別の診断・治療方針を示すものではありません。必ず主治医にご相談ください。

いろはです。脳腫瘍について、どの情報を知りたいですか?

1脳腫瘍とは

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大きな流れ
「脳の腫瘍」と聞くと、ことばにならない不安ですよね。まず、ほかのがんとの違いを。

脳腫瘍は良性から悪性まで幅広く体のほかへ転移することがまれ。だから「ステージ(広がり)」ではなく、「種類」と「悪性度(WHOグレード)」「場所」で考えます。

症状は場所でさまざま(頭痛・けいれん・手足の動かしにくさ等)。流れは、①MRIで確認→②手術や生検で遺伝子(IDH等)を調べタイプを確定→③神経の働きを守りながら、手術・放射線・お薬を組み合わせる。「脳の機能を守ること」がとても大切なテーマです。
「脳の腫瘍」と聞くと、ことばにならない不安が押し寄せますよね。まず、ほかのがんとの違いを。

脳腫瘍は、脳やその周りにできる腫瘍の総称で、良性から悪性まで幅広いのが特徴。そして大事なこと——脳腫瘍は体のほかの臓器へ転移することがまれで、固形がんのような「ステージ(広がり)」ではなく、「腫瘍の種類」と「悪性度(WHOグレード)」、そして“どこにできたか(場所)”で治療と見通しを考えます。

症状は場所によりさまざま(頭痛・けいれん・手足の動かしにくさ・ことばの出にくさなど)。流れは、①MRIで腫瘍を確認→②手術や生検で組織と遺伝子(IDHなど)を調べてタイプを確定→③神経の働きをできるだけ守りながら、手術・放射線・薬物を組み合わせる。「脳の機能を守ること」が、治療と同じくらい大切なテーマです。
検査・診断
① MRI:脳腫瘍診断の主役。場所・大きさ・性質を調べる。
② 手術・生検:組織を採ってタイプを確定。遺伝子の特徴(IDH等)が分類と治療に直結するため必ず調べます。
③ 機能温存のための検査:手足やことばを担う場所を避けるため、機能MRIや覚醒下手術を行うことも。
① MRI:脳腫瘍診断の主役。場所・大きさ・性質を詳しく調べる。造影や特殊な撮影も。
② 手術・生検:組織を採って腫瘍のタイプを確定。脳腫瘍は遺伝子の特徴(IDH変異・MGMT・1p/19qなど)が分類と治療に直結するため、必ず調べます。
③ 機能温存のための検査:手足の動き・ことばを担う場所を避けるため、機能MRIや、手術中に意識を保って確認する覚醒下手術を行うことも。

「どのタイプで、どこにあり、どんな遺伝子か」を丁寧に調べることが、最適な治療と機能温存につながります。
MRI(造影・拡散・灌流・MRS)で局在/悪性度を推定、確定は手術/定位生検の組織+分子(IDH1/2変異・1p/19q共欠失・MGMTメチル化・ATRX・H3 K27M等)でWHO2021統合診断。グレード1〜4。摘出はナビゲーション・術中MRI・蛍光(5-ALA)・覚醒下マッピングで機能温存と最大安全摘出を両立。
悪性度(グレード)
脳腫瘍には、固形がんのような病期(ステージ)はありません。代わりに、腫瘍の“顔つき”の悪さを示すWHOグレード(1〜4)で考えます。下が早見表です。

グレード性質治療の方向
1良性に近い・ゆっくり手術で取りきれれば治ることも
2ゆっくりだが再発しうる手術+経過観察や放射線
3悪性手術+放射線+お薬
4悪性度が高い手術+放射線+お薬を集中的に
グレードが低いほどおだやか、高いほど積極的な治療が必要。ただし「場所」も同じくらい重要です。近年は遺伝子の特徴(IDH等)も合わせて方針を決めます。「あなたのタイプ・グレード・遺伝子の見通し」を主治医に聞くことが大切です。
脳腫瘍には、固形がんのような病期(ステージ)はありません。代わりに、腫瘍の“顔つき”の悪さを示すWHOグレード(1〜4)で考えます。下が、おおまかな早見表です。

グレード性質主な治療の方向
グレード1良性に近い・ゆっくり手術で取りきれれば治ることも
グレード2ゆっくりだが再発しうる手術+経過観察や放射線
グレード3悪性手術+放射線+薬物
グレード4悪性度が高い手術+放射線+薬物を集中的に
表の見かた:グレードが低いほどおだやか、高いほど積極的な治療が必要です。ただし「場所」も同じくらい重要——大切な機能を担う場所だと、たとえ良性でも慎重な手術が必要になります。
近年は、グレードだけでなく遺伝子の特徴(IDH変異など)も合わせて診断・治療方針を決めるのが標準です。
へぇポイント:脳腫瘍は「悪性」と聞いても、遺伝子のタイプによって見通しが大きく変わるようになりました。たとえばIDH変異のあるタイプは、ないタイプより経過がおだやかなことが多い、など。だから「グレード」と「遺伝子」をセットで知ることが、正確な見通しにつながります。
統計の数字について(読む前にひと呼吸)
脳腫瘍は種類・グレード・遺伝子・場所・年齢によって見通しが大きく異なり、ひとつの数字でまとめられません。良性に近いものは手術で治ることもあれば、悪性度の高いタイプ(膠芽腫など)は手強いこともあります。だからこそ、一般の数字ではなく「あなたの腫瘍のタイプ・グレード・遺伝子の見通し」を主治医に聞くことが何より大切です。新しい治療の研究も進んでいます。気持ちがざわつくときは、無理に数字を見なくて大丈夫です。〔出典:国立がん研究センター がん情報サービス〕
治療法
脳腫瘍の治療は、タイプ・グレード・場所で組みます。

① 手術:基本の柱。神経の働きを守りながら安全に取る。ことばや運動を担う場所では覚醒下手術などを使います。
② 放射線:取りきれない部分や悪性度の高い腫瘍に。
③ お薬:悪性ではテモゾロミドなどを放射線と組み合わせることが多い。タイプにより分子標的薬も。
④ 支持療法:けいれんやむくみを抑える薬、リハビリで生活を支えます。
脳腫瘍の治療は、タイプ・グレード・場所で組みます。

① 手術:基本の柱。神経の働きを守りながら、できる限り安全に取る。ことばや運動を担う場所では、意識を保って確認しながら行う覚醒下手術や、ナビゲーション・蛍光技術を使います。

② 放射線:手術で取りきれない部分や、悪性度の高い腫瘍に。ピンポイントに当てる定位放射線も。

③ 薬物療法:悪性の脳腫瘍ではテモゾロミドなどの抗がん薬を放射線と組み合わせることが多い。タイプにより分子標的薬も。

④ 支持療法:けいれんを抑える薬、むくみ(脳浮腫)を抑えるステロイド、リハビリなど、症状と生活を支えます。

良性に近いグレード1では、手術で取りきれれば治ることもあります。
最大安全摘出(覚醒下マッピング・術中MRI・5-ALA)。膠芽腫(GBM, IDH野生型)はStupp(術後CCRT:テモゾロミド併用60Gy→維持TMZ)+必要に応じTTFields、MGMTメチル化で予後/感受性。IDH変異星細胞腫/乏突起膠腫(1p/19q共欠失)はグレード別に放射線+PCV/TMZ。再発はベバシズマブ等。けいれんに抗てんかん薬、脳浮腫にステロイド。
グレード別
目安です。

グレード1:手術で取りきれれば治ることも。
グレード2:手術+経過観察、または放射線。
グレード3〜4(悪性):手術+放射線+お薬を集中的に。
・どのグレードでも遺伝子の特徴を合わせて方針を決め、症状を支えます。
目安です(最終的にはタイプ・グレード・遺伝子・場所で決めます)。

グレード1(良性に近い):手術で取りきれれば治ることも。場所により慎重に。
グレード2:手術+経過観察、または放射線。
グレード3〜4(悪性):手術+放射線+薬物(テモゾロミド等)を組み合わせて集中的に。
・どのグレードでも、遺伝子の特徴を合わせて方針を決め、けいれん・むくみなどの症状を支えます。
再発・経過
脳腫瘍は種類によっては再発することが。場所や前の治療で、再手術・放射線・お薬から次の一手を選びます。定期的なMRIで見守りながら対応します。けいれん・むくみ・記憶や集中の変化には、薬やリハビリで支える方法が。治験など新しい治療の研究も進んでいます。気になる変化は早めに伝えて。
脳腫瘍は、種類によっては再発することがあります。場所や前の治療によって、再手術・放射線・薬物から次の一手を選びます。脳腫瘍は転移よりも“その場所での再発”が課題になりやすく、定期的なMRIで見守りながら対応します。けいれん・むくみ・高次脳機能(記憶や集中)の変化には、薬やリハビリで支える方法があります。新しい治療の研究(治験)も進んでいます。つらい症状や気になる変化は早めに伝えてください。
遺伝子から考える
脳腫瘍は、近年もっとも分類が“遺伝子中心”に変わったがんのひとつ。IDH変異・1p/19q・MGMTなどで腫瘍を分類し、見通しや薬の効きやすさの判断に使います。タイプにより分子標的薬も。組織だけでなく遺伝子を調べることが正確な診断と最適な治療に直結します。
脳腫瘍は、近年もっとも分類が“遺伝子中心”に変わったがんのひとつです。IDH変異・1p/19q・MGMTメチル化などの遺伝子の特徴で腫瘍を分類し、見通しの予測や、放射線・薬の効きやすさの判断に使います。タイプによっては分子標的薬が使えることも。だから脳腫瘍では、組織だけでなく遺伝子を調べることが、正確な診断と最適な治療に直結します。気になることはバイオマーカー検査のページや主治医に相談を。
関連する薬
代表的なものを挙げます(実際はタイプ・グレード・遺伝子で決まります)。

抗がん薬:テモゾロミド、PCV療法等。
分子標的薬:ベバシズマブ等。
支持療法薬:抗てんかん薬、ステロイド(脳浮腫)。
代表的なものを挙げます(実際の選択はタイプ・グレード・遺伝子で決まります)。

抗がん薬:テモゾロミド(放射線併用が多い)、PCV療法等。
分子標的薬:ベバシズマブ(再発時等)、タイプに応じた薬。
支持療法薬:抗てんかん薬(けいれん)、ステロイド(脳浮腫)。

くわしい投与量・併用は専門モード(医療者向け)と主治医の説明で。
関わる科
脳腫瘍は脳神経外科が中心。放射線科、薬物の脳神経内科・腫瘍内科病理・遺伝子診断リハビリ(理学・作業・言語)緩和ケアが関わります。記憶・注意の変化を支える専門職もいます。ひとりで抱えないで大丈夫です。
脳腫瘍は脳神経外科が中心。放射線科、薬物の脳神経内科・腫瘍内科病理・遺伝子診断、けいれんを診るてんかん専門、手足やことばのリハビリ(理学・作業・言語)緩和ケア、看護師・薬剤師・ソーシャルワーカーが関わります。高次脳機能(記憶・注意)の変化を支える専門職もいます。ひとりで抱えないで大丈夫です。
仕事・お金・くらし
お仕事:体力や集中力の回復に時間がかかることも。リハビリと相談しながら少しずつ。

お金:高額療養費などの制度があります。傷病手当金・障害年金が使えることも。早めに相談を。

けいれん・運転:けいれんが起きうる場合は薬で予防。運転は発作の状況により制限されることがあるので必ず主治医に確認を。

高次脳機能:記憶・注意・ことばの変化は、リハビリや工夫で支えられます。ご家族と一緒に専門職に相談を。

お金と暮らしの制度を見る
お仕事:手術や治療のあと、体力や集中力の回復に時間がかかることも。リハビリと相談しながら、少しずつ戻り方を考えましょう。

お金:高額療養費などの制度があります。長期のリハビリや治療には、傷病手当金・障害年金などが使えることも。早めに窓口へ。

けいれん・運転:けいれん(てんかん発作)が起きうる場合、薬で予防します。運転は発作の状況により制限されることがあるので、必ず主治医に確認を(安全のための大切なルールです)。

高次脳機能:記憶・注意・ことばに変化が出ることがありますが、リハビリや工夫で支えられます。ご家族と一緒に、専門職に相談を。

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出典:国立がん研究センター がん情報サービス「脳腫瘍」/日本脳腫瘍学会「脳腫瘍診療ガイドライン」/WHO中枢神経系腫瘍分類。各種診療ガイドラインを参照し、IROHAが独自に再構成しました。最終的な診断・治療は必ず担当医にご確認ください(公開時に専門医監修)。

2よくある質問

AI整理

自由診療と標準治療はどう違いますか?
標準治療は科学的根拠に基づき保険適用される治療です。自由診療は保険適用外の治療を含み、内容・費用・エビデンスの水準が施設により異なります。両者の違いを整理したうえで検討することが大切です。
セカンドオピニオンは受けてもよいのでしょうか?
セカンドオピニオンは患者さんの正当な権利であり、遠慮する必要はありません。IROHAでは相談前の情報整理からお手伝いしています。

3あなたの体験を投稿する

脳腫瘍についてのご経験を、これから同じ状況になる方のために共有してください。

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