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悪性リンパ腫

悪性リンパ腫について、医療知識をやさしい版から専門家向けまで段階的にまとめました。

※本ページは各種診療ガイドライン・公的機関の情報をもとに構成しています。個別の診断・治療方針を示すものではありません。必ず主治医にご相談ください。

いろはです。悪性リンパ腫について、どの情報を知りたいですか?

1悪性リンパ腫とは

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大きな流れ
「血液のがん」と聞いて戸惑いますよね。まず地図を。

悪性リンパ腫は、免疫を担うリンパ球ががん化し、全身で増える病気。手術ではなく全身に効く薬が主役です。そして種類が多く、その多くで“治すこと”を狙えるがん。

大きくホジキン非ホジキンに分かれ、さらに細かいタイプに。流れは、①リンパ節生検でタイプを見分ける→②広がりと悪性度を調べる→③タイプに合った薬で治療。「自分のタイプを正確に知る」のが出発点です。
「血液のがん」と聞いて、固形のがんとの違いに戸惑っていませんか。まず地図を渡します。

悪性リンパ腫は、免疫を担うリンパ球ががん化し、全身のリンパ節や臓器で増える病気。固形がんのように「手術で取る」のではなく、全身に効く薬(抗がん薬・抗体薬)が治療の主役になります。ここが大きな違い。そして大事なこと——リンパ腫はとても種類が多く、その多くで“治すこと”を本気で狙えるがんです。

まず大きくホジキンリンパ腫非ホジキンリンパ腫に分かれ、さらに数十のタイプに分かれます。流れは、①リンパ節生検でタイプを正確に見分ける→②広がり(病期)と悪性度を調べる→③タイプに合った薬で治療。「自分のタイプを正確に知る」ことが、すべての出発点です。
検査・診断
リンパ節生検:腫れたリンパ節を採って調べる最も大事な検査。タイプはここで決まります。
② 血液検査:全身の状態を確認。
骨髄検査:骨髄への広がりを調べる。
④ PET-CT:全身の広がり(病期)と効き目を見る。

「正確なタイプ分け」が治療を決めるので、生検にしっかり時間をかけます。
リンパ節生検:腫れたリンパ節を採って詳しく調べる、最も大事な検査。タイプの確定はここで決まります(針だけでなく、できれば丸ごと採るのが望ましい)。
② 血液検査:全身の状態やLDHなどの値を確認。
骨髄検査:骨髄に広がっていないかを調べる。
④ PET-CT:全身の広がり(病期)と、治療の効き目を見る。

リンパ腫は「正確なタイプ分け」がそのまま治療を決めます。だから生検と病理診断にしっかり時間をかけます。
診断は摘出(excisional)リンパ節生検が原則=形態+免疫染色(CD20/CD3/CD30/CD15等)・フローサイトメトリー・染色体/FISH・遺伝子再構成でWHO分類に基づき型決定。病期はAnn Arbor(±Cotswold/Lugano)、PET-CT(Deauville)で評価。予後指標:DLBCLはIPI、濾胞性はFLIPI、ホジキンはIPS。骨髄生検・LDH・可溶性IL-2R・B症状(発熱・盗汗・体重減少)を確認。
病期・悪性度
リンパ腫の「広がり」はAnn Arbor分類でⅠ〜Ⅳ期に分けます。ただし病期より「タイプと悪性度」のほうが大事。下が早見表です。

病期広がり
Ⅰ期1か所のリンパ節
Ⅱ期横隔膜の同じ側で2か所以上
Ⅲ期横隔膜の両側に
Ⅳ期骨髄・肝臓など臓器に
もう一つの軸が悪性度ゆっくり(低)/速い(中・高)がありますが、速いタイプほどよく効き、治しやすいことが多いんです。だからⅣ期=絶望ではありません「あなたのタイプの見通し」を主治医に聞くのが何より大切です。
リンパ腫の「広がり」は、Ann Arbor分類でⅠ〜Ⅳ期に分けます。ただし固形がんと違い、病期より「タイプと悪性度」のほうが治療と見通しを大きく左右するのが特徴。下が早見表です。

病期広がり
Ⅰ期1か所のリンパ節領域
Ⅱ期横隔膜の同じ側で2か所以上
Ⅲ期横隔膜の両側に
Ⅳ期骨髄・肝臓など臓器に広く
表の見かた:1か所だけならⅠ期、横隔膜(胸とお腹の境)の両側や臓器に及ぶほど数字が上がります。発熱・寝汗・体重減少(B症状)があると「B」を付けます。
そしてもう一つの軸が悪性度——低悪性度(年単位でゆっくり)/中・高悪性度(月〜週単位で進むが、その分よく効き治しやすい)。「進行が速い=悪い」とは限らないのがリンパ腫の不思議で大事なところです。
へぇポイント:進行が速いタイプ(高悪性度)ほど、抗がん薬がよく効き、治すことを狙えることが多いんです。逆にゆっくりなタイプ(低悪性度)は、急がず「経過を見ながら長く付き合う」戦略をとることも。だからⅣ期=絶望ではない——タイプを正しく知ることが希望につながります。
統計の数字、見てもいい?(読む前にひと呼吸)
日本で悪性リンパ腫と診断される方は年間およそ3.6万人。よく見る「5年相対生存率 全体で約7割」という数字は、多数のタイプ・すべての病期・年代を平均した“全体の目安”で、あなた個人の見通しではありません。リンパ腫はタイプによって見通しが大きく異なり、ホジキンリンパ腫など“治すことを十分狙える”タイプも多いのが特徴です。だから一般の数字より、「あなたのタイプの見通し」を主治医に聞くことが何より大切。気持ちがざわつくときは、無理に見なくて大丈夫です。〔出典:国立がん研究センター がん統計〕
治療法
リンパ腫の治療は、タイプ・病期・悪性度で組みます。

① お薬(化学療法):複数の抗がん薬を組み合わせ。抗体薬を加えたR-CHOPなどで治癒を狙えます。
② 放射線:限られた範囲で薬と組み合わせ。
造血幹細胞移植:再発・難治例などで。
CAR-T療法:一部の再発・難治で、免疫細胞を改造する新治療。
⑤ 経過観察:ゆっくりで症状がなければ、見守るのも立派な選択。
⑥ 緩和ケア:感染予防や副作用ケアを並行。
リンパ腫の治療は、タイプ・病期・悪性度で組みます。

① 薬物療法(化学療法):複数の抗がん薬を組み合わせる。抗体薬(リツキシマブ等)を加えたR-CHOP療法などが代表で、治癒を狙える組み合わせです。

② 放射線:限られた範囲のリンパ腫で、薬物と組み合わせることがあります。

造血幹細胞移植:再発・難治例などで、強力な治療のあとに造血の力を回復させる。

CAR-T細胞療法・新規免疫療法:一部の再発・難治リンパ腫で、自分の免疫細胞を改造して攻撃力を高める新しい治療。

⑤ 経過観察(watchful waiting):低悪性度で症状がない時は、あえてすぐ治療せず見守ることも、立派な選択。

⑥ 緩和ケア・支持療法:感染予防や副作用ケアを並行して。
DLBCL:R-CHOP(×6)±放射線、高リスク/特定型でpola-R-CHP等。限局ホジキン:ABVD±involved-site RT、進行はABVD/escBEACOPP・PET適応療法、再発にBV・PD-1抗体→自家移植。濾胞性:無症状はwatchful waiting、治療適応でR/obinutuzumab+化学→維持。再発DLBCL:自家移植、不適/移植後再発にCD19 CAR-T(axi-cel/tisa-cel/liso-cel)、bispecific抗体。中枢神経予防・腫瘍崩壊症候群・B型肝炎再活性化に留意。
タイプ別
目安です。

ホジキン:化学療法(±放射線)で治癒を狙える
高悪性度(DLBCL等)抗体薬入りの化学療法で治すことを目指す
低悪性度(濾胞性等):症状がなければ経過観察、必要時に治療で長く付き合う。
再発・難治移植CAR-Tなど次の一手が。
目安です(最終的にはタイプ・病期・悪性度・体の状態で決めます)。

ホジキンリンパ腫:化学療法(±放射線)で治癒を狙える代表的タイプ。
非ホジキン・高悪性度(例:DLBCL)抗体薬入りの化学療法で治すことを目指す
非ホジキン・低悪性度(例:濾胞性):症状がなければ経過観察、必要時に治療+維持療法で長く付き合う。
再発・難治移植CAR-Tなど、次の一手があります。
再発・転移
再発と聞くと不安ですよね。でもリンパ腫は「次の一手」がとても豊富。別の薬、移植CAR-T、新しい抗体薬など、再発・難治でも治癒を狙える選択肢が広がっています。低悪性度なら「また治療して落ち着かせる」を繰り返し長く付き合えます。つらい症状は早めに伝えて。
再発と聞くと不安ですよね。でもリンパ腫は「次の一手」がとても豊富ながんです。別の薬の組み合わせ、造血幹細胞移植CAR-T細胞療法、新しい抗体薬など、再発・難治でも治癒を狙える選択肢が広がっています。低悪性度では「再発しても、また治療して落ち着かせる」を繰り返しながら、長く付き合えます。つらい症状は早めに伝えてください。
遺伝子から考える
リンパ腫は、免疫の“目印”や遺伝子に合わせた治療が早くから進んだ領域。代表が、がん化リンパ球のCD20を狙う抗体薬。さらに自分のT細胞を改造するCAR-T療法など、新しい個別化治療が次々に登場しています。
リンパ腫は、免疫の“目印”や遺伝子の特徴に合わせた治療が早くから進んだ領域です。代表が、がん化したリンパ球の表面のCD20という目印を狙う抗体薬(リツキシマブ)。さらに、自分のT細胞を改造してがんを攻撃させるCAR-T細胞療法や、二つの標的を同時につかむ二重特異性抗体など、新しい個別化治療が次々に登場しています。気になることはバイオマーカー検査のページや主治医に相談を。
関連する薬
代表的なものを挙げます(実際はタイプ・病期で決まります)。

抗体薬リツキシマブ等。
多剤併用化学療法:CHOP(+R)、ABVD等。
免疫療法CAR-T、二重特異性抗体等。
代表的なものを挙げます(実際の選択はタイプ・病期で決まります)。

抗体薬リツキシマブ(抗CD20)等。
多剤併用化学療法:CHOP(+R)、ABVD等。
免疫療法CAR-T細胞療法、二重特異性抗体、PD-1抗体(ホジキン等)。

くわしい投与量・併用は専門モード(医療者向け)と主治医の説明で。
関わる科
悪性リンパ腫は血液内科が中心。病理医(タイプ確定)、放射線科CAR-T移植の専門チーム、緩和ケア、感染対策、看護師・薬剤師が関わります。生活・お金・妊娠の相談窓口とも連携します。
悪性リンパ腫は血液内科が中心。病理医(タイプの確定)、放射線科CAR-T移植を行う専門チーム、緩和ケア、感染対策の専門家、看護師・薬剤師が関わります。長期にわたる治療になることもあるので、生活・お金・妊娠の相談ができるソーシャルワーカーや生殖医療とも連携します。
仕事・お金・感染対策
お仕事:通院しながら働ける時期も、入院が必要な時期も。見通しを主治医に確認しながら調整を。

お金:高額療養費などの制度があります。CAR-Tや移植は費用が大きいので早めに相談を。

感染対策:免疫が下がる時期は感染に注意。手洗い・人混みの工夫・予防接種の相談を。発熱は早めに連絡を。

妊娠:お薬の前に、希望があれば必ず伝えて。残せる方法があります。

お金と暮らしの制度を見る
お仕事:治療中は通院しながら働ける時期もあれば、入院が必要な時期も。タイプによって大きく違うので、見通しを主治医に確認しながら調整を。

お金:高額療養費などの制度があります。CAR-Tや移植など費用の大きい治療もあるので、早めに窓口へ。

感染対策:治療で免疫が下がる時期は、感染に注意。手洗い・人混みの工夫・予防接種の相談など、できることがあります。発熱はがまんせず早めに連絡を。

妊娠:抗がん薬の前に、妊娠の希望があれば必ず伝えて。残せる方法があります。

お金と暮らしの制度を見る
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「悪性リンパ腫」/日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン」/Ann Arbor分類。各種診療ガイドラインを参照し、IROHAが独自に再構成しました。最終的な診断・治療は必ず担当医にご確認ください(公開時に専門医監修)。

2よくある質問

AI整理

自由診療と標準治療はどう違いますか?
標準治療は科学的根拠に基づき保険適用される治療です。自由診療は保険適用外の治療を含み、内容・費用・エビデンスの水準が施設により異なります。両者の違いを整理したうえで検討することが大切です。
セカンドオピニオンは受けてもよいのでしょうか?
セカンドオピニオンは患者さんの正当な権利であり、遠慮する必要はありません。IROHAでは相談前の情報整理からお手伝いしています。

3あなたの体験を投稿する

悪性リンパ腫についてのご経験を、これから同じ状況になる方のために共有してください。

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