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多発性骨髄腫

多発性骨髄腫について、医療知識をやさしい版から専門家向けまで段階的にまとめました。

※本ページは各種診療ガイドライン・公的機関の情報をもとに構成しています。個別の診断・治療方針を示すものではありません。必ず主治医にご相談ください。

いろはです。多発性骨髄腫について、どの情報を知りたいですか?

1多発性骨髄腫とは

詳しく知りたい項目だけ開いてご覧ください。

大きな流れ
「骨髄腫」という耳慣れない病名に戸惑いますよね。まず、どんな病気かを。

多発性骨髄腫は、骨髄で抗体を作る細胞(形質細胞)ががん化する血液のがん。異常なタンパク(Mタンパク)が作られ、骨が溶ける・貧血・腎臓の負担・カルシウム上昇(CRAB症状として現れます。腰や背中の痛みで気づくことも。

正直に言うと完全に治しきるのは難しいことが多いですが、新しい薬が次々に登場し、“長くコントロールしながら暮らす”病気へ大きく変わりました。流れは、①血液・尿・骨髄検査で診断→②病期とリスク評価→③多剤併用のお薬(+必要に応じ移植)で長くおさえる。
「骨髄腫」という耳慣れない病名に、戸惑っていませんか。まず、どんな病気かを。

多発性骨髄腫は、骨髄の中で抗体を作る細胞(形質細胞)ががん化して増える血液のがん。増えた細胞が異常なタンパク(Mタンパク)を作り、骨が溶ける・貧血・腎臓の負担・血中カルシウム上昇(CRAB症状といった形で現れます。腰や背中の痛みで気づかれることも。

正直にお伝えすると、現時点で「完全に治しきる」のは難しいことが多いがんです。でも——ここ十数年で新しい薬が次々に登場し、“長くコントロールしながら、自分らしく暮らす”病気へと大きく変わりました。流れは、①血液・尿・骨髄検査で診断→②病期(ISS)と染色体でリスクを評価→③多剤併用の薬物療法(+必要に応じ移植)で長くおさえる。
検査・診断
① 血液・尿検査:異常なタンパク(Mタンパク)を調べる。骨髄腫の目印。
骨髄検査:形質細胞の割合を確認し診断を確定。
③ 画像(骨・MRI・PET):骨が溶けている場所などを調べる。
④ 染色体検査:リスクを見て治療の強さを決める。
① 血液・尿検査:異常なタンパク(Mタンパク・遊離軽鎖)を調べる。骨髄腫の“指紋”のような目印。
骨髄検査:骨髄の中の形質細胞の割合を確認し、診断を確定。
③ 画像(全身の骨・MRI・PET):骨が溶けている場所(骨病変)や、しこりがないかを調べる。
④ 染色体・遺伝子検査:リスクの高い異常がないかを見て、治療の強さを決める。

骨髄腫は「Mタンパク・骨・骨髄・腎臓・カルシウム」を総合して診断・評価するのが特徴です。
診断はIMWG基準=クローナル形質細胞≥10%(or 形質細胞腫)+骨髄腫定義事象(CRAB or SLiM:клон60%・遊離軽鎖比≥100・MRI巣状病変>1)。M蛋白は血清/尿蛋白電気泳動・免疫固定・血清遊離軽鎖(FLC)。全身低線量CT/WB-MRI/PETで骨病変。リスクはFISH(t(4;14)・t(14;16)・del(17p)・1q+等)+ISS/R-ISS(β2MG・Alb・LDH)。MGUS・くすぶり型との鑑別。
病期(ISS)
骨髄腫の病期は、「広がり」ではなく血液検査の値などから全身への影響を評価するISSを使います。下が早見表です。

病期おおまかな目安
Ⅰ期検査値がおだやか
Ⅱ期中間
Ⅲ期より積極的な治療を検討
これは“余命の番号”ではなく、どのくらいの強さで治療を組むかの目安です。骨髄腫は新しい薬の登場で、生きられる期間が大きく延びたがん。「完治が難しい」は「長く付き合える」と表裏一体です。あなたの病期は、検査がそろってから先生が説明してくれます。
骨髄腫の病期は、固形がんのような「広がり」ではなく、血液検査の値などから全身への影響を評価するISS(国際病期分類)を使います。下が、おおまかな早見表です。

病期おおまかな目安意味あい
Ⅰ期β2ミクログロブリンが低くアルブミンが保たれる比較的おだやか
Ⅱ期ⅠとⅢの中間中等度
Ⅲ期β2ミクログロブリンが高いより積極的な治療を検討
表の見かた:血液中のβ2ミクログロブリン・アルブミンといった値や、近年はLDHや染色体の異常も加えた「R-ISS」で、病気の勢いとリスクを評価します。これは“余命の番号”ではなく、どのくらいの強さで治療を組むかを決める目安です。
骨髄腫は病期に加えて、染色体の異常などのリスク因子も合わせて治療を考えます。
へぇポイント:骨髄腫は「治療開始の前段階(くすぶり型)」で見つかることもあり、その場合は急がず経過観察になることも。逆に骨や腎臓に影響が出ていれば治療を始めます。そして何より、新しい薬の登場で、生きられる期間が大きく延びたがんです。「完治が難しい」と聞いても、それは「長く付き合える」と表裏一体だと知ってください。
統計の数字、見てもいい?(読む前にひと呼吸)
日本で多発性骨髄腫と診断される方は年間およそ7,500人。よく見る「5年相対生存率 全体で約5割前後」という数字は、すべての病期・年代・少し前に診断された方までを平均した“全体の目安”で、あなた個人の見通しではありません。骨髄腫はここ十数年で新薬が相次ぎ、生存期間が大きく延びている領域で、過去のデータに基づく数字は今の見通しより低めに出がちです。数字は地図の一部であって、未来の判決ではありません。気持ちがざわつくときは、無理に見なくて大丈夫です。〔出典:国立がん研究センター がん統計〕
治療法
骨髄腫の治療はお薬が中心。複数を組み合わせて長くおさえます。

① 多剤併用のお薬プロテアソーム阻害薬・免疫調節薬・抗体薬・ステロイドなど。効き目を見ながら入れ替えられます。
自家移植:体力のある方で、より深く病気を抑える。
CAR-T・二重特異性抗体:再発・難治で成果が報告される新しい免疫療法。
④ 骨を守る薬:骨折や痛みの予防に。
⑤ 支持療法・緩和ケア:痛み・貧血・腎臓・感染への手当て。
骨髄腫の治療は、薬物療法が中心。複数の薬を組み合わせて、長くおさえます。

① 多剤併用の薬物療法プロテアソーム阻害薬・免疫調節薬・抗体薬・ステロイドなどを組み合わせる。種類が豊富で、効き目を見ながら入れ替えられます。

自家造血幹細胞移植:体力のある方では、強力な治療のあとに自分の細胞で造血を立て直し、より深く病気を抑える。

CAR-T細胞療法・二重特異性抗体:再発・難治で、近年大きな成果が報告される新しい免疫療法。

④ 骨を守る薬:骨が溶けるのを防ぐ薬(ビスホスホネート・デノスマブ)。骨折や痛みの予防に。

⑤ 支持療法・緩和ケア:痛み・貧血・腎臓・感染への手当て。生活の質を保つ柱です。
移植適応:導入(Dara-VRd/VRd等の3〜4剤)→自家移植→地固め/レナリドミド維持。非適応:DRd・VRd-lite・Dara-VMP等を継続。骨病変にゾレドロン酸/デノスマブ、腎障害・高Ca・過粘稠・脊髄圧迫は緊急対応。再発:曝露歴・リスクで薬剤選択(カルフィルゾミブ・ポマリドミド・イサツキシマブ・セリネクサル等)、難治にBCMA標的CAR-T(ide-cel/cilta-cel)・二重特異性抗体(teclistamab等)。
状態別
目安です。

くすぶり型(症状なし):急がず経過観察も。
治療開始(CRAB症状あり):多剤併用のお薬。体力があれば自家移植+維持。
移植が難しい場合:体にやさしい組み合わせで長くおさえる。
再発・難治CAR-T・二重特異性抗体など、次の一手が豊富。
目安です(最終的には病期・リスク・年齢・体の状態で決めます)。

くすぶり型(症状なし):急がず経過観察になることも。
治療開始(CRAB症状あり):多剤併用の薬物療法。体力があれば自家移植+維持療法。
移植が難しい場合:体にやさしい組み合わせで、長くおさえる。
再発・難治:別の薬の組み合わせ、CAR-T・二重特異性抗体など、次の一手が豊富。
再発・難治
骨髄腫は再発を繰り返しやすいがんですが、それは「選択肢が多く、薬を替えながら何年も付き合える」ということ。一つが効きにくくなっても、別の薬、CAR-T、二重特異性抗体など次々と手があります。骨の痛みや貧血にも和らげる治療が。「つらい」は早めに伝えて。あきらめなくて大丈夫です。
骨髄腫は再発を繰り返しやすいがんです。でも、それは裏を返せば「治療の選択肢がとても多く、薬を替えながら何年も付き合える」ということ。一つの薬が効きにくくなっても、作用の違う別の薬、CAR-T細胞療法、二重特異性抗体など、次々と手があります。骨の痛みや貧血、腎臓の負担には、それぞれ和らげる治療があります。「つらい」は早めに伝えてください。あきらめなくて大丈夫です。
遺伝子から考える
骨髄腫では、染色体の異常などのリスクを調べて治療を個別に決めます。さらに近年は、骨髄腫細胞の目印BCMAを狙うCAR-Tや二重特異性抗体が登場し、難治の方にも新たな道が。新薬開発が世界でもっとも活発ながんのひとつです。
骨髄腫では、染色体の異常などのリスク因子を調べて、治療の強さや組み合わせを個別に決めます。さらに近年は、骨髄腫細胞の表面の目印BCMAなどを狙うCAR-T細胞療法や二重特異性抗体が登場し、難治の方にも新たな道が開けました。新薬の開発が世界でもっとも活発ながんのひとつです。気になることはバイオマーカー検査のページや主治医に相談を。
関連する薬
代表的なものを挙げます(実際は病期・リスク・治療歴で決まります)。

プロテアソーム阻害薬:ボルテゾミブ等。
免疫調節薬:レナリドミド等。
抗体薬:ダラツムマブ等。
免疫療法CAR-T、二重特異性抗体。
骨を守る薬:ゾレドロン酸、デノスマブ。
代表的なものを挙げます(実際の選択は病期・リスク・治療歴で決まります)。

プロテアソーム阻害薬:ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ等。
免疫調節薬:レナリドミド、ポマリドミド等。
抗体薬:ダラツムマブ、イサツキシマブ等。
免疫療法CAR-T細胞療法(BCMA標的)、二重特異性抗体。
骨を守る薬:ゾレドロン酸、デノスマブ。

くわしい投与量・併用は専門モード(医療者向け)と主治医の説明で。
関わる科
多発性骨髄腫は血液内科が中心。骨には整形外科放射線科、腎臓には腎臓内科CAR-T移植の専門チーム、緩和ケア、看護師・薬剤師・リハビリが関わります。痛みや骨折の予防は早めの相談を。
多発性骨髄腫は血液内科が中心。骨病変には整形外科放射線科、腎臓の負担には腎臓内科CAR-T移植の専門チーム、緩和ケア、看護師・薬剤師・リハビリ・ソーシャルワーカーが関わります。痛みや骨折の予防は生活の質に直結するので、早めの相談が大切です。
仕事・お金・骨と腎臓
お仕事:飲み薬中心の時期は通いながら働ける方も。だるさや痛みに合わせて無理なく。

お金:高額療養費などの制度があります。治療が長く続くので、傷病手当金や高額な薬の費用を早めに相談を。

骨を守る:骨が弱くなりやすいので転倒・重い物・急な動きに注意。痛みはがまんせず伝えて。

腎臓を守る:水分を適切に、腎臓に負担のかかる薬は相談を。発熱は早めに連絡を。

お金と暮らしの制度を見る
お仕事:飲み薬中心の時期は通いながら働ける方も多いです。だるさや痛みに合わせて無理なく。

お金:高額療養費などの制度があります。骨髄腫は治療が長く続くため、傷病手当金や、抗体薬・CAR-T等の費用について早めに窓口へ。

骨を守る:骨が弱くなりやすいので、転倒・重い物・急な動きに注意。痛みはがまんせず伝えて(放射線や薬で和らげられます)。

腎臓を守る:水分を適切にとり、痛み止めなど腎臓に負担のかかる薬は自己判断で使わず相談を。感染にも注意(発熱は早めに連絡)。

お金と暮らしの制度を見る
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「多発性骨髄腫」/日本血液学会「造血器腫瘍診療ガイドライン」/ISS・R-ISS病期分類。各種診療ガイドラインを参照し、IROHAが独自に再構成しました。最終的な診断・治療は必ず担当医にご確認ください(公開時に専門医監修)。

2よくある質問

AI整理

自由診療と標準治療はどう違いますか?
標準治療は科学的根拠に基づき保険適用される治療です。自由診療は保険適用外の治療を含み、内容・費用・エビデンスの水準が施設により異なります。両者の違いを整理したうえで検討することが大切です。
セカンドオピニオンは受けてもよいのでしょうか?
セカンドオピニオンは患者さんの正当な権利であり、遠慮する必要はありません。IROHAでは相談前の情報整理からお手伝いしています。

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多発性骨髄腫についてのご経験を、これから同じ状況になる方のために共有してください。

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