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甲状腺がん

甲状腺がんについて、医療知識をやさしい版から専門家向けまで段階的にまとめました。

※本ページは各種診療ガイドライン・公的機関の情報をもとに構成しています。個別の診断・治療方針を示すものではありません。必ず主治医にご相談ください。

いろはです。甲状腺がんについて、どの情報を知りたいですか?

1甲状腺がんとは

詳しく知りたい項目だけ開いてご覧ください。

大きな流れ
甲状腺がんと言われて不安かもしれませんが、まず大きな安心材料を。

甲状腺はホルモンを作る臓器。ここにできるがんの大部分(乳頭がん)は進行がとてもゆっくりで、予後が非常に良いです。ごく小さく低リスクなら、すぐ手術せず経過を見る選択もあるほど。

ただし、まれに進行の速いタイプもあるため、「どのタイプか」を見極めることが大切。流れは、①超音波・細胞診でタイプを確かめる→②広がりを調べる→③タイプとリスクに応じて、経過観察・手術・必要なら放射性ヨウ素治療を選びます。
甲状腺がんと言われて不安かもしれませんが、まず大きな安心材料を。

甲状腺は、のどぼとけの下にある、体の代謝を整えるホルモンを作る臓器。ここにできるがんの大部分(乳頭がん)は進行がとてもゆっくりで、予後が非常に良いことで知られています。なかにはごく小さく低リスクなものは、すぐ手術せず経過を見る(積極的経過観察)という選択が認められているほどです。

ただし、まれに進行の速いタイプ(未分化がん)や、別の性質のタイプ(髄様がん)もあるため、「どのタイプか」を見極めることが大切。流れは、①超音波・穿刺吸引細胞診でタイプを確かめる→②広がりを調べる→③タイプとリスクに応じて、経過観察・手術・必要なら放射性ヨウ素治療などを選びます。
検査・診断
① 超音波(エコー):しこりの性質を見る、いちばん大事な検査。
② 穿刺吸引細胞診:細い針で細胞を採り、タイプを調べる。痛みは少なめ。
③ 血液検査:甲状腺ホルモンや、髄様がんで上がるマーカーを確認。
④ CT等:広がりを調べる。

「超音波+細胞診」でかなり正確に診断でき、タイプの見極めがその後を決めます。
① 超音波(エコー):甲状腺のしこりの性質を詳しく見る、いちばん大事な検査。
② 穿刺吸引細胞診:細い針で細胞を採り、がんかどうか・タイプを調べる。痛みは少なめ。
③ 血液検査:甲状腺ホルモンの状態や、髄様がんで上がるマーカー(カルシトニン等)を確認。
④ CT等:周囲やリンパ節への広がりを調べる。

甲状腺がんは「超音波+細胞診」でかなり正確に診断でき、タイプの見極めがその後の方針を決めます。
頸部US(TI-RADS)+穿刺吸引細胞診(ベセスダ)で組織型を推定。組織型:乳頭癌(最多・予後良好)、濾胞癌、低分化、未分化(急速進行・予後不良)、髄様癌(C細胞・カルシトニン/CEA・RET、MEN2の遺伝性)。CT/造影で進展・リンパ節。低リスク微小乳頭癌はactive surveillanceが選択肢。
病期・タイプ
甲状腺がんは、まず「タイプ(組織型)」が見通しを大きく左右します。下がタイプの早見表です。

タイプ性質見通し
乳頭がん最も多い・ゆっくり非常に良好
濾胞がん比較的ゆっくり良好
髄様がんやや特殊(遺伝性も)タイプ次第
未分化がんまれ・急速厳しいが集学的治療を
大部分の乳頭がん・濾胞がんは予後がとても良いのが特徴。ごく小さく低リスクなら“経過観察”という選択も。あわてず専門医と相談して決められます。あなたのタイプの見通しは、検査がそろってから先生が説明してくれます。
甲状腺がんは、まず「タイプ(組織型)」が見通しを大きく左右します。そのうえで、分化型ではTNMと年齢を組み合わせて病期を決めるのが特徴(若い方は予後が良いため、病期が低く扱われます)。下が、タイプの早見表です。

タイプ頻度・性質見通し
乳頭がん最も多い・ゆっくり非常に良好
濾胞がん比較的ゆっくり良好
髄様がんやや特殊(遺伝性も)タイプ次第
未分化がんまれ・急速に進む厳しいが集学的治療を
表の見かた:大部分を占める乳頭がん・濾胞がん(分化型)は予後がとても良いのが甲状腺がんの大きな特徴。一方、まれな未分化がんは進行が速く、専門施設での集中的な治療が必要です。髄様がんは遺伝性のことがあり、体質の相談につながることも。
へぇポイント:甲状腺がんは「がん=すぐ手術」が当てはまらないことがあるめずらしいがん。ごく小さく低リスクの乳頭がんは、手術の負担を避けて“経過観察”という積極的な選択が認められています。あわてず、専門医とよく相談して決められます。
統計の数字、見てもいい?(読む前にひと呼吸)
日本で甲状腺がんと診断される方は年間およそ1.9万人。甲状腺がんの大部分を占める乳頭がんなどの分化型は、5年相対生存率が9割以上と非常に良好なことで知られます。ただし、まれな未分化がんは見通しが厳しいなど、タイプによって差が大きいため、一般の数字より「あなたのタイプの見通し」を主治医に聞くことが大切です。気持ちがざわつくときは、無理に見なくて大丈夫です。〔出典:国立がん研究センター がん統計〕
治療法
甲状腺がんの治療は、タイプとリスクで組みます。

① 積極的経過観察:ごく小さく低リスクの乳頭がんでは、見守る選択も。
② 手術:基本の柱。甲状腺の片方か全部を、広がりに応じて。
放射性ヨウ素治療:分化型で、手術後に残ったがんや転移を内側からたたく。
④ ホルモン補充:甲状腺を取った後はホルモンの薬を飲みます。
⑤ 分子標的薬:進行がんや髄様・未分化がんで、RETなどを狙う薬を使うことも。
甲状腺がんの治療は、タイプとリスクで組みます。

① 積極的経過観察:ごく小さく低リスクの乳頭がんでは、すぐ手術せず定期的に超音波で見守る選択も。

② 手術:基本の柱。甲状腺の片方(葉切除)か全部(全摘)を、広がりに応じて。必要ならリンパ節も。

放射性ヨウ素治療:分化型がんで、手術後に残ったがん細胞や転移を、放射性のヨウ素で内側からたたく治療。

④ ホルモン補充・TSH抑制:甲状腺を取った後はホルモンの薬を飲みます。再発予防のため、あえて多めに調整することも。

⑤ 分子標的薬:放射性ヨウ素が効きにくい進行がんや、髄様がん・未分化がんで、RETなどを狙う薬を使うことがあります。
低リスク微小乳頭癌はactive surveillance。手術は葉切除〜全摘+(治療的/予防的)頸部郭清。分化型はリスクで術後放射性ヨウ素(RAI)アブレーション、TSH抑制療法(LT4)。RAI不応の進行分化型はレンバチニブ/ソラフェニブ。髄様癌はカルシトニン/CEAフォロー、RET変異にセルペルカチニブ等、MEN2の遺伝学的検査。未分化癌はBRAF V600Eにダブラフェニブ+トラメチニブ、集学的治療。
タイプ別
目安です。

低リスクの微小な乳頭がん:経過観察、または手術。
分化型(乳頭・濾胞):手術が中心。リスクに応じて放射性ヨウ素治療・ホルモン療法。
髄様がん:手術が中心。遺伝性の確認も。
未分化がん:専門施設で集中的に。
目安です(最終的にはタイプ・リスク・体の状態で決めます)。

低リスクの微小な乳頭がん:積極的経過観察、または手術。
分化型(乳頭・濾胞):手術が中心。リスクに応じて放射性ヨウ素治療・ホルモン療法。
髄様がん:手術が中心。遺伝性の確認と、進行例で分子標的薬。
未分化がん:専門施設で手術・放射線・薬物を集中的に。
再発・転移
分化型の甲状腺がんは、肺などに転移しても進行がゆっくりで、長く付き合えることが多いです。再発時も、手術・放射性ヨウ素治療・ホルモン調整・分子標的薬から選びます。「転移」と聞いても時間の感覚が違うことを知ってください。気になる変化は早めに伝えて。
分化型の甲状腺がんは、たとえ肺などに転移しても進行がゆっくりで、長く付き合えることが多いがんです。再発時も、手術・放射性ヨウ素治療・ホルモン調整・分子標的薬から選びます。だから「転移」と聞いても、ほかのがんとは時間の感覚が違うことを知ってください。一方、髄様・未分化がんは専門的な対応が必要。気になる変化やつらさは早めに伝えてください。
遺伝子から考える
甲状腺がんでも、進行例では遺伝子に合わせた治療が広がっています。RETBRAFの異常が見つかれば狙う分子標的薬が使えることも。髄様がんは遺伝性のことがあり、ご家族の検査の相談につながることも。
甲状腺がんでも、進行例では遺伝子の特徴に合わせた治療が広がっています。とくにRET(髄様がんや一部の乳頭がん)やBRAF(未分化がん等)の異常が見つかれば、それを狙う分子標的薬が使えることがあります。髄様がんでは遺伝性(MEN2など)のことがあり、その場合はご家族の検査の相談(遺伝カウンセリング)にもつながります。気になることはバイオマーカー検査のページや主治医に相談を。
関連する薬
代表的なものを挙げます(実際はタイプ・状態で決まります)。

ホルモン薬:レボチロキシン(補充・TSH抑制)。
放射性ヨウ素放射性ヨウ素治療(分化型)。
分子標的薬:レンバチニブ等、RET阻害薬、BRAF/MEK阻害薬。
代表的なものを挙げます(実際の選択はタイプ・状態で決まります)。

ホルモン薬:レボチロキシン(甲状腺ホルモン補充・TSH抑制)。
放射性ヨウ素放射性ヨウ素治療(分化型)。
分子標的薬:レンバチニブ、ソラフェニブ(進行分化型)、RET阻害薬(髄様等)、BRAF/MEK阻害薬(未分化等)。

くわしい投与量・併用は専門モード(医療者向け)と主治医の説明で。
関わる科
甲状腺がんは内分泌外科・頭頸部外科耳鼻咽喉科が中心。ホルモン管理に内分泌内科放射性ヨウ素治療核医学・放射線科、進行例に腫瘍内科、髄様がんでは遺伝カウンセリングが関わります。
甲状腺がんは内分泌外科・頭頸部外科耳鼻咽喉科が中心。ホルモンの管理に内分泌内科放射性ヨウ素治療核医学・放射線科、進行例の薬物に腫瘍内科、声に関わる場合は言語・リハビリ、髄様がんでは遺伝カウンセリングが関わります。多くは手術中心で、生活への影響は比較的少なく済むことが多いです。
仕事・お金・ホルモン
お仕事:入院・回復は比較的短めで、復帰しやすいがんです。

お金:高額療養費などの制度があります。放射性ヨウ素治療は専用の入院が必要なことも。早めに相談を。

ホルモン:甲状腺を取った後はホルモンの薬を毎日飲む必要が。続ければほぼ普段どおりの生活が。だるさや体重の変化は量の調整で整えられます。

声・カルシウム:手術で一時的な影響が出ることも。多くは回復・補充で対応できます。

妊娠放射性ヨウ素治療の前後は時期の配慮が必要。希望があれば伝えて。

お金と暮らしの制度を見る
お仕事:手術の入院・回復は比較的短めのことが多く、復帰しやすいがんです。

お金:高額療養費などの制度があります。放射性ヨウ素治療は専用の入院が必要なことも。早めに窓口へ。

ホルモン:甲状腺を取った後は、甲状腺ホルモンの薬を毎日飲む必要があります。きちんと続ければ、ほぼ普段どおりの生活ができます。だるさや体重・気分の変化は、量の調整で整えられるので相談を。

声・カルシウム:手術で声や、カルシウムを調整する機能に一時的な影響が出ることがありますが、多くは回復・補充で対応できます。

妊娠放射性ヨウ素治療の前後は時期の配慮が必要。希望があれば主治医に伝えて。

お金と暮らしの制度を見る
出典:国立がん研究センター がん情報サービス「甲状腺がん」/日本内分泌外科学会ほか「甲状腺腫瘍診療ガイドライン」/UICC TNM分類 第8版。各種診療ガイドラインを参照し、IROHAが独自に再構成しました。最終的な診断・治療は必ず担当医にご確認ください(公開時に専門医監修)。

2よくある質問

AI整理

自由診療と標準治療はどう違いますか?
標準治療は科学的根拠に基づき保険適用される治療です。自由診療は保険適用外の治療を含み、内容・費用・エビデンスの水準が施設により異なります。両者の違いを整理したうえで検討することが大切です。
セカンドオピニオンは受けてもよいのでしょうか?
セカンドオピニオンは患者さんの正当な権利であり、遠慮する必要はありません。IROHAでは相談前の情報整理からお手伝いしています。

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甲状腺がんについてのご経験を、これから同じ状況になる方のために共有してください。

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