「標準治療を続けるべきか、自由診療も考えるべきか」——がんの診断を受けた後、多くの患者さんがこの問いに向き合います。萬院長はこう言います。「まず大切なのは順番です。何を先にやるべきか、それが整理できれば怖くない」。
本記事では、萬院長が治療選択の現場で患者さんに伝えている「判断の軸」を整理します。標準治療と自由診療の対立ではなく、「どの順番で、どの目的で行うか」という視点を持つことで、情報の混乱から抜け出す手がかりになれば幸いです。
最重要原則:「切れるがんは切る」
萬院長の治療判断において最も強い原則は、手術で取れるものは取った方がよいという考え方です。
1cmのがんには非常に多くのがん細胞が存在します。それを薬や免疫だけで処理しようとするより、手術で一気に取り除けるなら、その方が合理的です。特に早期がん・ステージ0〜1・転移がなく切除できる可能性がある場合は、標準治療を優先すべきだというのが萬院長の立場です。
代替医療を希望して来院した患者さんでも、切れる状態であれば説得してでも手術を勧めます。「自然に治す」という言葉に引き寄せられて標準治療を遅らせることは、命に関わる選択になりかねません。
この原則は、自由診療を否定しているのではありません。「がんを物理的に減らすこと」が、その後の免疫治療や補助療法の効果を引き出す土台になるからです。
手術後に「免疫へ教える」ことが重要
萬院長は、手術でがんを取ることを高く評価しながらも、手術だけで終わらせることには限界があると考えています。
がんが再発するのは、目に見えないがん細胞が残っていた場合です。そのため、手術後には「取ったがん細胞の情報を免疫に教える」ことが次のステップになります。萬院長はこれを「指名手配」と表現します。
免疫ができること・できないこと
- がん細胞を「犯人」、リンパ球を「警察」にたとえる
- 犯人の顔を知らない警察は犯人を捕まえられない
- 免疫ががんの目印を認識していなければ、いくら免疫を高めても効果が出にくい
- 手術で取ったがん組織は「最高の薬になり得る材料」
つまり、手術はゴールではなく、「免疫にがんの目印を教えるスタート地点」でもあるのです。この視点が、統合腫瘍治療の核心です。
治療選択の4つのステップ
萬院長が患者さんに伝える治療選択のフローを整理します。
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確定診断を受ける
がんの種類・ステージ・組織型を正確に把握する。診断が曖昧なまま治療を始めることは避ける。
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標準治療の方針を確認する
手術・抗がん剤・放射線の適応とガイドラインを理解する。切れるがんなら切ることを最優先に検討する。
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補助療法の目的を定める
免疫サポート・副作用軽減・再発予防のどれが目的かを明確にする。自由診療を検討するのはこのステップ以降。
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生活習慣の基盤を整える
食事・睡眠・運動・ストレス管理で免疫の土台をつくる。どの治療と組み合わせても、これが土台になる。
標準治療と自由診療のバランス
萬院長は、標準治療だけでも、自由診療だけでも不十分な場合があると考えています。
標準治療は、がんを減らす・壊すという意味で非常に重要です。一方で、抗がん剤を最後まで強く使いすぎることで、がんではなく感染症などで亡くなる患者がいる可能性も指摘しています。「正しく使えば武器、使い方を間違えれば患者を傷める」ものになり得る。
標準治療の最高のものと、自由診療の有効なものを、患者ごとに組み合わせて最良の結果を目指す。これが私の考える統合腫瘍治療です。
代替医療だけで治そうとすることも危険です。あるがんサバイバーが「標準治療をやめてセルフケアだけで治った」と発信するケースがありますが、萬院長はこれを「命を奪う情報になり得る」と強く警告しています。その患者は、最初に標準治療でがんを壊し、免疫ががんを認識した後に回復した可能性があるためです。
自由診療が意味を持つ場面
自由診療が価値を持つのは、次のような場面です。
- 標準治療の効果が限界に達したとき(再発・転移後の選択肢として)
- 標準治療の副作用で生活の質が著しく低下しているとき(補完として)
- 再発予防・免疫維持を目的とした長期管理として
- 患者の価値観として、免疫機能を積極的に高めたいとき
補助・上乗せとしての自由診療は意味があります。標準治療の代わりとしての自由診療はリスクが伴います。この違いを理解することが、治療選択の出発点です。