Instagramで食や暮らし、心と体を整えるための情報を発信し、著書『乳がんがくれた「ありがとう」の人生』を出版した田中 美穂さん。その原点には、娘さんの不登校に寄り添い続けた日々と、その先で見つかった乳がんがありました。

もし、がんになっていなかったら——
私はきっと、家族のためにと、自分のことを後回しにして生きていたと思います。

でも、がんになってからは
「これからは、自分の人生を生きよう」
と決意しました。

誰かのためではなく、
自分がやりたいことを大切にして、後悔しない人生を生きていこうと思いました。

2026年11月、乳がんを経験した女性たちが歩くランウェイ「SPOTLIGHT」に出場する田中さんに、これまでの歩みと、今伝えたいことを伺いました。

プロフィール
  • 田中 美穂さん/会社員を経て、自宅で子連れOKのお菓子教室を主宰。現在は書籍・Instagram・セミナーや交流会を通して、心と体を整えるための情報を発信している
  • 検診で乳がんが見つかり、手術と抗がん剤治療を受ける
  • 野菜スープとソマチッドを伝える活動を開始し、全国から喜びの声が続出するようになる
  • 著書『乳がんがくれた「ありがとう」の人生』(Laule'a出版)
  • 2026年11月13日、ランウェイ「SPOTLIGHT」に出場

親子でお菓子教室の講師に

田中さんは、大企業で10年間勤務した後、長男の誕生を機に退職。自宅で「子連れOK」のお菓子教室を開きました。赤ちゃんと一緒に参加できる教室は、同世代のお母さんたちで賑わっていました。

その後、遅延型アレルギーによる体調不良をきっかけに、食生活を大きく見直すことに。この経験を通して、「食べ物が体をつくっている」と実感したといいます。

やがて、娘さんが小学6年生でアイシングクッキーの認定講師資格を取得。親子で教室を開くようになりました。

小学生の頃の娘さんは、手先がとても器用で、活発で明るい子だったと、田中さんは振り返ります。

娘と一緒に沈んでいった3年間

ところが中学校に入学してしばらくすると、娘さんが学校に行けなくなります。いじめなどのはっきりした理由があったわけではなく、「行きたいのに行けない」。焦りと不安の中で、心も体も調子を崩していきました。

田中さんは食事を整え、医療機関や相談先を何か所も回り、ありとあらゆる方法を試したといいます。それでも状況はなかなか良くならず、中学の3年間、娘さんはほとんど学校に通えませんでした。

不登校は娘の悩みでしたが、私の悩みでもありました。一緒に深刻に悩み続け、精神的に落ちていったんですね。何年もストレスを抱えていたら、気づいたら私も朝起きたら涙が出るとか、ご飯も食べられなくなり、どんどん痩せていきました。

そんな日々の中で受けた検診で、乳がんが見つかりました。

「体は元気だったんです。でも心が何年も元気ではなかった。だから乳がんがわかった時、ものすごく驚いたというより、やっぱりそうか、という感じがありました」

がんの情報

乳がんの原因と、家族をケアする人の心

乳がんの発症には、年齢やホルモン環境、遺伝的な要因、生活習慣など、さまざまな要因が関わると考えられています。ストレスが直接がんの原因になるかどうかは、はっきりとはわかっていません。「自分のせいでがんになった」と抱え込まず、症状がなくても定期的に検診を受けることが大切です。

また、家族を支える人自身の心と体も大切です。つらさが続くときは、自分のための相談先を持つことも考えてみてください。

治療——「お医者さんが治してくれる」と思っていた

提示されたのは、手術(乳房部分切除)、抗がん剤治療、放射線治療、そして5〜10年のホルモン療法という治療計画でした。

その時は、病院で治療を受け、薬を飲めば、お医者さまが治してくれると信じていました。それ以外の選択肢は、まったく頭になかったんです。だから、最初にしたのは、腕のいいお医者さまを探すことでした。

手術件数の多い医師を自分で探して受診し、診断から約1か月後に手術を受けます。その後、2種類の抗がん剤を4回ずつ、計8回の点滴治療が始まりました。

食欲がなくなり、肌や爪、舌にも変化が出る。2種類目の薬では手足のしびれが強く、ボタンを留めることやペットボトルのキャップを開けることも難しくなりました。むくみで坂道を歩くのもつらく、まつ毛や眉毛も抜けていきました。「あと3回も残っている」と、本当に嫌だったといいます。

治療中に出会った野菜スープ

そんなとき、知人から教えてもらったのが、自分で作る野菜のスープでした。半信半疑で飲み始めたところ、次の抗がん剤のあとは「あれ、しんどくない」と感じたといいます。

最初は、これで何かが変わると思っていたわけではないんです。でも、あんなにつらかったのが楽になったことに驚いたし、何より本当に嬉しかった!今も作って飲んでいます。自分にとっては、心のお守りみたいなものですね

治療を受ける中で、田中さんはもうひとつ気づいたことがありました。副作用に備えて処方された薬の中に、自分には出ていない症状の薬があり、医師に尋ねると「出ていないなら飲まなくていいですよ」と言われたのです。

「人任せにしていたら怖いことになるかもしれないって、その時初めて思ったんです。自分の体のことを、自分でも考えていかなきゃいけないって」

がんの情報

抗がん剤の副作用と、食事・健康食品のこと

  • 吐き気止めなどの薬は、副作用を予防するために、症状が出る前から処方されることがあります。どの薬をいつ使えばよいか迷ったときは、自己判断せずに担当医や薬剤師に確認しましょう
  • しびれやむくみ、皮膚や爪の変化などの副作用は、伝えることで対処法を一緒に考えてもらえます。→「支持療法とは?副作用を「がまん」しないための基本と対処法」
  • 特定の食品や健康食品が、がんそのものや抗がん剤の副作用に効くという科学的な根拠は、現時点では確認されていません。健康食品やサプリメントの中には、治療薬と影響し合うものもあるため、始める前、またはすでに始めている場合は担当医に伝えましょう

「ここから先は、自分の人生を生きる」

がんになり、「自分の命には限りがある」と突きつけられたことで、田中さんの考え方は大きく変わりました。

何年もの間、娘に寄り添い、自分の時間をすべて注いできました。でも、状況は変わらず、私が懸命にあれこれ試しても、娘の症状はむしろ悪化していったんです。

そんな中、私自身ががんになったことをきっかけに、心に決めたことがありました。

娘であっても、私とは別の人間。この子はこの子のタイミングで、今の苦しさから抜け出すときが来る。そう信じて、見守ろうと思ったんです。

そして、これからは私も、自分の好きなことをしよう。誰かのためだけではなく、自分がやりたいことをやって、自分の人生を生きていこうと決めました。

そして抗がん剤治療を終えたあと、田中さんは担当医に、その後の放射線治療とホルモン療法を受けないと伝えました。「嫌だと思いながら何年も治療を続けることが、自分にとってはかえってよくないと思った」と振り返ります。それから5年が過ぎた今も、元気に活動を続けています。

がんの情報

術後の放射線治療・ホルモン療法と、治療をやめたいと思ったとき

  • 乳房部分切除術のあとの放射線治療は、残った乳房の中での再発を防ぐために行われます。ホルモン受容体陽性の乳がんでは、再発を防ぐために、手術のあとにホルモン療法が行われることがあります
  • 治療をやめた場合の経過は、がんの性質や広がりなどによって一人ひとり異なります。田中さんの経過が、すべての方に当てはまるわけではありません
  • 副作用や治療の長さがつらく、「やめたい」と感じることは珍しくありません。自己判断で中断する前に、まず担当医にその気持ちを伝えてください。副作用を和らげる方法や治療の変更を相談できることもあります。迷うときは、セカンドオピニオンや、がん相談支援センターも利用できます

自分の発信が、誰かの「ありがとう」に

「自分がうれしかったことは、きっと誰かにとってもうれしいはず」そんな思いから、田中さんはInstagramで発信を始めました。

最初に紹介したのは、身体に優しいビーガンスイーツ。その後、自分の支えになった野菜スープについても伝えるようになると、同じように治療を受けている人たちから、感謝のメッセージが届くようになりました。

さらに、その後に出会ったソマチッドについて紹介すると、全国から沢山の喜びの声が寄せられるように。自分で試してうれしかったこと、良かったと感じたことを、自身の体験として伝え続けています。

そんな歩みをまとめた電子書籍『乳がんがくれた「ありがとう」の人生』は、Amazonのがん関連部門で1位を獲得。今では、全国各地のセミナーや講演会に招かれるようになりました。

田中 美穂さんの著書『乳がんがくれた「ありがとう」の人生』の表紙
著書『乳がんがくれた「ありがとう」の人生』
田中 美穂さんの著書『【漫画版】乳がんがくれた「ありがとう」の人生』の表紙
「【漫画版】乳がんがくれた『ありがとう』の人生」

入院中など、文章を読むことがつらい時にも手に取っていただきやすいよう、イラストで分かりやすくまとめられた漫画版です。

漫画版をAmazonで見る

田中さんが変わっていく中で、娘さんも少しずつ自分らしさを取り戻していったといいます。出版記念の会では、大勢の前で笑顔で感謝の言葉を伝える娘さんの姿がありました。

「娘と一緒に引きこもっていた頃からしたら、考えられない現実が今、目の前にあるんです。つらかったことも、全部あってよかった。それがなければ今の自分はいないので」

ランウェイ「SPOTLIGHT」へ

田中さんが「SPOTLIGHT」への出場を決めたきっかけは、主催者の女性の存在でした。同じ時期に乳がんの治療を受けていた彼女が、治療中も明るく前向きに思いを発信する姿に、元気をもらっていたといいます。

「その方が、自分の夢に向かって大きな挑戦を始めた姿に、私も勇気をもらいました。今度は私が、誰かに勇気や希望を届け、一歩を踏み出すきっかけになれたら。そんな思いで、ランウェイに立つことを決めました」

SPOTLIGHT CHALLENGER #11 田中 美穂
生き様を魅せるランウェイ SPOTLIGHT 2026年11月13日(金)大阪市中央公会堂 開場13:30・開演14:00
イベント情報

生き様を魅せるランウェイ「SPOTLIGHT」

  • 日時:2026年11月13日(金)開場13:30/開演14:00
  • 会場:大阪市中央公会堂

チケットなどの最新情報は、主催者の案内をご確認ください。→ SPOTLIGHTの紹介ページ

田中さんの発信——書籍・Webサイト・Instagram

書籍・発信

リンク先は田中さんご本人による発信です。IROHAは、紹介している食品や製品の効果を保証・推奨するものではありません。

IROHAから読者へのメッセージ

娘さんに寄り添い続けた日々、つらかった治療、そして「自分の人生を生きる」と決めた日。田中さんの物語は、家族のために自分を後回しにしてきた人に、自分自身を大切にすることの意味を問いかけてくれます。

この体験から、いまできること
  • 家族のケアで心がすり減っていても、自分の検診や体のサインを後回しにしない
  • 副作用のつらさは我慢せず、担当医や看護師、薬剤師に伝える
  • 食事や健康食品を取り入れるときは、担当医にも共有する
  • 治療をやめたい・変えたいと感じたら、自己判断せずに、まずその気持ちを担当医に相談する

IROHAは、特定の治療法や食品、医療機関を推奨・保証する立場ではありません。一人ひとりが必要な情報を知り、納得して選べるよう、体験談や情報を届けていきます。

本記事は、田中 美穂さんへのインタビュー内容をもとに、読みやすさを考慮して構成・編集しています。語り手の言葉は、意味を変えない範囲で表現を整えています。治療の経過や副作用、食事などについての感じ方は個人の体験であり、すべての方に同じ経過や効果が当てはまるものではありません。治療方法の選択や中断・変更は自己判断せず、必ず担当医など医療者にご相談ください。
「がんの情報」の出典:国立がん研究センター がん情報サービス「乳がん 治療」「がんと民間療法(健康食品・サプリメント・食事療法を中心に)」(情報確認日:2026年10月4日)

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